ホワイトニングができない場合とは？処置前に確認したい全身と口腔の状態

こんにちは。川崎市宮前平の歯医者、永沢デンタルクリニックです。ホワイトニングは多くの方が受けられる処置ですが、全ての人に適しているわけではありません。安全に効果を出すためには、処置前に全身状態やお口の状態をしっかりと確認する必要があります。

今回は、ホワイトニングができない場合や、効果が出にくい歯の特徴、そして他の選択肢について分かりやすく解説します。

1｜全身状態について

1-1｜未成年の方

ホワイトニングに使う薬剤は、歯の内部にある象牙質へ作用して白さを引き出す仕組みです。しかし、未成年の歯はまだ発育途中で、象牙質の厚みも薄く、神経も成熟していません。そのため刺激が伝わりやすく、痛みが強く出ることがあります。また、永久歯の色は成長とともに自然に変化するため、成人前に無理にホワイトニングを行う必要性は高くありません。安全面から、当院では顎の成長と歯の成熟が完了する成人以降のホワイトニングを推奨しています。

1-2｜妊娠中の方

妊娠中はホルモンバランスの影響で歯肉が腫れやすく、痛みや刺激に敏感になっている時期です。ホワイトニング剤が胎児に良くない影響があるという明確なデータはありませんが、安全であるという確かなエビデンスもありません。加えて、処置中の長いチェア姿勢で気分が悪くなる可能性、つわりで薬剤のにおいが負担になることもあり、妊娠期、授乳期の処置は避けるのが一般的です。安心して治療を受けてもらうためにも、体調が落ち着いた産後、授乳終了後に行うのが最適です。

1-3｜無カタラーゼ症の方

ホワイトニング剤には過酸化水素や過酸化尿素が使われますが、これらは体内のカタラーゼという酵素によって安全に分解されます。無カタラーゼ症の方はこの酵素が欠損しているため、薬剤を分解できず、重大な障害を引き起こす恐れがあります。そのため、ホワイトニングは絶対に行ってはいけない禁忌処置となり、医療機関でも処置は行えません。

2｜ホワイトニングを受けても白くならない歯は？

2-1｜失活歯

神経を失った歯は血流がなく、内部から変色が進みます。通常のホワイトニングは歯の外側から薬剤を作用させるため、内部の色にまで影響が届きません。失活歯は別の治療で色を改善する必要があります。

2-2｜人工歯

セラミック、レジン、ジルコニア、金属＋白い材料などの人工歯は、薬剤で色が変化することはありません。そのためホワイトニング後に周囲の天然歯が白くなると、人工歯との色の差が目立つことがあります。

2-3｜テトラサイクリン歯

幼少期に服用した抗生物質による影響で歯がグレー、ブラウン、縞模様に変色している状態を指します。深い層まで色素が沈着しているため、通常のホワイトニングでは限界があります。複数回行えば多少明るくなる場合もありますが、希望する白さに到達しないケースが多く、別の審美治療が検討されます。

3｜ホワイトニングができない時の選択肢

3-1｜ラミネートべニア

歯の表面をごく薄く削り、セラミックのシェルを貼り付ける方法です。テトラサイクリン歯など強い変色にも対応可能です。治療回数が少なく、印象を短期間で変えたい方に向いています。

3-2｜ウォーキングブリーチ

失活歯の内部に薬剤を入れて、内側から徐々に漂白する方法です。歯を削る量が少なく、できるだけ歯を残しながら色を改善できる治療として前歯の変色でよく選ばれます。

3-3｜セラミックの被せ物

歯の形、色、強度を総合的に整えたい場合に最適です。ホワイトニングでは難しい重度の変色にも対応できます。長期的に安定した白さを保つことができ、機能面と審美面を同時に改善できます。

【まとめ】

ホワイトニングは非常に人気のある治療ですが、全身の健康状態や歯の状態によっては処置できないケースがあります。また、薬剤の作用が届かず白くなりにくい歯も存在するため、事前の診断がとても大切です。ホワイトニングが難しい場合でも、ラミネートべニア、ウォーキングブリーチ、セラミック治療など、選択肢は複数あります。

永沢デンタルクリニックでは、お口の状態を丁寧に確認し、最適な方法をご提案しています。「自分はホワイトニングができるのかな？」という段階でもお気軽にご相談ください。

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