タバコは歯周病を悪化させる？

こんにちは。川崎市の宮前平にある歯医者、永沢デンタルクリニックです。

タバコは健康への悪影響が大きいことは広く知られていますが、実はお口の中、とくに歯周病に深く関わっていることをご存じでしょうか。喫煙習慣がある人は歯周病のリスクが高まり、治療効果も出にくいといわれています。

ここでは歯周病の基本的なメカニズムから、タバコが与える影響、そして禁煙のためにできることについて詳しく解説します。

1｜歯周病のメカニズム

1-1｜プラーク中の細菌が原因

歯周病は歯と歯肉の境目にたまったプラークの中にいる細菌が原因で起こります。細菌が出す毒素や代謝物によって歯肉が炎症を起こし、赤く腫れたり出血したりするのが始まりです。進行すると歯を支える歯槽骨が溶け、やがて歯がグラグラして抜けてしまうこともあります。

1-2｜最初は気づかない

歯周病は「サイレントディジーズ（静かなる病気）」とも呼ばれ、初期には自覚症状がほとんどありません。痛みが出ないまま進行するため、気づいた時には中等度から重度になっているケースも多く見られます。歯肉の出血、口臭、歯が長く見えるなどのサインが出てきたら要注意です。

2｜タバコで歯周病が悪化？

2-1｜ニコチンが血管を収縮させる

喫煙は歯周病の最大のリスク因子の一つです。タバコを吸っている人は吸わない人に比べ、歯周病の発症率が数倍高いといわれ、治療しても改善しにくいことが知られています。タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させる作用があります。血流が悪くなることで、歯肉に必要な酸素や栄養が届きにくくなり、免疫力が低下します。その結果、歯周病菌に対する抵抗力が弱まり、炎症が進みやすくなるのです。

2-2｜歯周病の症状が出にくい？

喫煙者は歯肉の血流が乏しいため、炎症があっても出血や腫れといった典型的な症状が出にくい傾向があります。見た目には健康そうに見えても、実際には深い歯周ポケットが形成されているケースが少なくありません。症状が隠れてしまうことで発見が遅れ、気づいた時には歯を失う寸前まで進んでいることもあります。

2-3｜タールは汚れの足掛かり

タバコの煙に含まれるタールは、歯の表面にベタついた汚れとして沈着します。タールの膜は細菌の足場となり、プラークや歯石が付着しやすくなります。歯周病だけでなく、口臭や見た目の黄ばみの原因にもなり、口腔内環境の悪化を加速させます。

3｜禁煙したい！その時

3-1｜歯科医院と相談する

歯周病の改善や予防のためには禁煙が必要です。喫煙習慣がある方は、歯科医院での治療と並行して禁煙を進めることをおすすめします。歯科医院では、禁煙の重要性を具体的に説明し、サポートすることができます。実際にお口の中の状態を見ながら、タバコがどのように影響しているかをお伝えすることで、禁煙へのモチベーションにつながります。歯石除去やクリーニングを行いながら経過を観察することも可能です。

3-2｜禁煙外来に通う

自分の意思だけで禁煙を続けるのは難しいものです。そんな時は医療機関の禁煙外来を利用すると良いでしょう。保険適用での治療も可能で、ニコチンパッチや内服薬を使って禁断症状を和らげながら禁煙を成功に導きます。歯科治療と併用することで、口腔内と全身の健康改善を同時に目指すことができます。

3-3｜インプラントやホワイトニングの前にも禁煙が必要

喫煙は歯周病だけでなく、インプラント治療やホワイトニングにも影響します。インプラントの場合、骨と人工歯根が結合しにくくなるリスクがあり、失敗や早期脱落につながることがあります。また、ホワイトニングの効果も出にくく、着色がすぐに戻ってしまうケースも見られます。治療を希望される場合は、禁煙が前提条件になることを理解しておきましょう。

【まとめ】

タバコは歯周病を悪化させる大きな要因です。ニコチンによる血流障害、タールによる汚れの蓄積、症状が隠れて進行を見逃すリスクなど、さまざまな形で口腔内環境を悪化させます。さらにインプラントやホワイトニングといった治療の成功率を下げる要因にもなります。歯周病の予防、改善には禁煙が欠かせません。歯科医院でのチェックと合わせて、禁煙外来などの医療機関で無理なく禁煙を進められます。お口の健康と全身の健康を守るためにも、まずは禁煙という第一歩を踏み出してみてください。

川崎市の宮前平にある歯医者、永沢デンタルクリニックでは、歯周病対策に力を入れています。気になる方はお気兼ねなく相談してください。

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